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家は7~8割程度の完成を目指すべき論

2017年3月3日(金)

こんにちは、森です。

シリーズでお届けした

【必見】設計士 森の自宅の間取り大公開
『続』【必見】設計士 森の自宅の間取り大公開
『続々』【必見】設計士 森の自宅の間取り大公開

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上記のとおり私は自宅を設計するというある意味
非常にぜいたくな経験をしました。

自分の思い通りの間取りができるだろうからと
うらやましがられたりもします。
勿論、思い通りに設計できるのも事実なのですが
知っているからこそできなかったこと、
今まではそこまで気にしていなかったことが
非常に不便になることであったこと
失敗してしまったこと、
まだまだ設計士として未熟なこと
などなど多くの課題が見えてきたという
側面もあります。

 

私が自宅を設計する際に
一番重視した点は

『100年残る家にする』

でした。

100年残すということは
自分の子供や孫たちが残すことを
選択しなければ
建て替えられてしまう
ということになります。

子供や孫たちに建て替えさせないためには
どうすればよいかを考えました。
で、以下の3つの条件を満たしていれば
建て替えられにくいのでは
ないかと考えました。

①私がこの家を大事にしていること
 また、そのことを子供たちに
言って聞かせてあること

②構造躯体が100年もつこと
  できればその構造躯体が
日常的に目に見えること
③生活様式、家族の変化に対し
 フレキシブルに対応できること

どれも私が以前勤めていた会社で
築50年から100年ぐらいの家を
建て替えずにリフォームすることを
選択したお客様たちの言動を参考に
私が家を長持ちさせるには
どうしたらいいかを考えた内容です。

①はそういった方たちのほぼすべて
『おじいちゃんが大切にしていた家を
  私の代で壊すわけにはいかない』
とおっしゃっていたからです。

②はそういった家は例外なく
素晴らしい柱、梁だったこと。

③は築50年以上の家を建てかえようとする人は
今と昔の生活様式の違いから
昔の家の間取りが使いづらいと考えることから
始まるからです。

どれも大事なのですが
特に③により建て替えられてしまうことが
ほとんどです。

せっかく多くのお金を使い、建てる家です。
自分たちの思い通りの家にしたいと
考えるのは至極普通の考え方なのですが
それに凝り固まってはいけないと
思うのです。

なぜかと言えば
今のあなたの考え方は将来も
変わらないと言い切れますか?

今のあなたの生活は将来も
変わらないと言い切れますか?

今のあなたの家族は将来も
変わらないと言い切れますか?

多くの人が答えはNOだと思います。

将来どうなるかわからないなら
間取りを今の自分たちに完全に
合わせようとするのではなく
少し遊びをもたせて自由度を
高くしておくほうが家を
長持ちさせることができると
私は考えます。

勿論、どうなるかわからない将来の
ことまで考えすぎ、どうなっても
間取りで対応できるように・・・
は、やりすぎです。

ある程度遊びを持たせるだけです。

このさじ加減が難しいとは思うのですが・・・

そのある程度の遊びというのを
考慮すると

『家は7~8割程度の完成を目指すべき』

となります。

7~8割程度の完成度ということは
あとから自分で手を入れていく必要があります。

その行為により自分自身に家に対する
愛着がわいてきます。

またそういった行動を子供たちが
見ていれば『親が大事にしてきた家』
という意識も育つでしょう。

また手を入れることができるのは
少し遊びのあるフレキシブルな
間取りだからこそ。

そんなわけで

『家は7~8割程度の完成を目指すべき』論でした。

 

では、また。

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