考えて答えを出すこと
こんばんは浦山です。
今日は、前回に引き続き耐震診断のお話しになります。
前回は、しっかりとした調査が大切なことをお話ししましたが、
今回は調査結果を元に推察をすることについて書かせていただきます。
写真左側に構造用合板と筋交いが写っています。
構造用合板は比較的新しい工法になります。
この部分だけを見ると築年数も浅いと判断されてしまうかもしれません。
実はこちらのお家では以前増築をされていまして、
今回の調査では、増築した部分は構造用合板+金属板サイディング、
増築の際にリフォームをしたところは石膏ボード+金属板サイディング、
建築当時からそのままのところは木摺り下地+モルタル仕上げと
いくつもの壁の作り方が混在していることが分かりました。
このような場合は、全て壁の強さが違うため、使用箇所に合わせた適切な判断をすることが大切になります。
しかし、屋根裏や床下から行う非破壊での目視調査では、すべてを見るということはまずできません。
そのために、お客様へのヒアリングや建築年次・リフォーム年次を考慮して
それぞれのお家の状況を考えて答えを出すことが重要になります。
今回は、中古住宅として売買されていたこともあり、以前の持ち主様にヒアリングができなかったため、
その重要性も高くなっていました。
外観や間取りも考慮し、どのように増築やリフォームを行ったを検討して耐震の数値に反映させていきます。
そしてもう一つ大切なことが、実際に工事がはじまったら事前に仮定していたことが正しいかどうか確認を行うことです。
天井や床・壁を解体した時に、計画内容と相違がないかを再調査し、より信頼性の高い補強計画にすることが大切です。
耐震に関することは高い専門性や知識面・経験も求められます。
それ以上に地道な調査や確認といったことがとても大切です。
地震に強い家づくりをぜひ一緒に考えていただけたらと思います。
それではまた次回よろしくお願い致します。